この物語はフィクションです。
ルール:
3つのキーワードを設定して、そのキーワードを含んだ文章を1時間で書く。
今回のキーワード:
『女』、『新宿行きの切符』、『黄色いジャケット』
初めに言っておきますが、もう意味不明な文章です。
僕の名前はマー。
本当の名前は知らない。
いつの間にかキッ君と一緒に暮らし、キッ君にマーと呼ばれていた。
だから、僕の名前はマーなんだ。
今日はキッ君に頼まれたお買物。
朝5時に家を出発したけど、もう22時。
まだ買うべきものは見つからないけど、僕は頑張る。
キッ君:
「マー、お前にしか頼めないことがあるんだ。頼んでいいかい?」
マー:
「もちろんだよ。僕はキッ君のためなら何でもするよ。」
キッ君:
「そうか。だったら、10年前に流行った限定レコードの新品を買ってきてくれ。ジャケットの黄色いやつだ。」
マー:
「キッ君、ジャケットの黄色いのだけだと分からないよ…。」
キッ君:
「マー、分かってないな。人は困難と難問を経験することで成長するんだ。俺はお前を成長させてやろうと思ってるんだぞ。」
マー:
「そうなんだ。キッ君はやさしいね!」
キッ君:
「そうさ、俺はやさしんだよ。」
丸二日探して、僕はやっと『10年前に流行った黄色いジャケットの限定レコードの新品』を発見した。
これでキッ君は大喜びしてくれるに違いない。
僕を物凄く褒めてくれるに違いない。
いつものようにまた僕をギュッと暖かく抱いてくれるに違いない。
マー:
「キッ君、レコード見つけたよ!僕頑張ったでしょ!」
ドアを開けると部屋は薄暗かった。
部屋の電気をつけるとキッ君はいつも僕と一緒に寝ているベッドで寝ていた。
けど、横に誰かいる。
香水のきつい女。
僕の知らない女が、僕のキッ君と一緒に僕とキッ君が一緒に寝ていたベッドでキッ君と一緒に寝ている。
マー:
「キッ君、この女だれだよ!!!」
キッ君:
「マー、意外と早かったな。」
僕は怒りで歯を噛み締めたんだ。
部屋中にキリキリと音が鳴り響くくらいにね。
マー:
「この女、僕のキッ君を汚したな。許さないよ。謝っても許さないよ。何をしても許さないよ。」
キッ君:
「マー、落ち着け。落ち着くんだ、マー。」
マー:
「キッ君、安心して。すぐに君を汚したこの女に罰を与えるからね。」
キッ君:
「おいおい、彼女が何をした?何もしていない。彼女は何も悪くない。そして、俺も何もしていない。つまり、俺も悪くない。だったら、誰が悪いんだ?」
この女も、キッ君も悪くない…。
マー:
「僕が悪いんだ。」
キッ君:
「そう、お前が悪いんだ。けど、俺はマーを許すぞ。俺は心が広いからな。」
マー:
「キッ君はやさしんだね。」
キッ君:
「そうさ、俺はやさしんだよ。」
やっぱり、キッ君はいい人だ。
僕はキッ君のために何でもできる。
キッ君:
「やさしい俺からの頼みごとを聞いてくれるかい?マー。」
マー:
「もちろんだよ。」
キッ君:
「旭川から新宿までの切符が欲しいんだ。」
マー:
「新宿から旭川までだね。そこの新宿駅で買ってくるよ。」
キッ君:
「マー、お前は大きな勘違いしているぞ。俺が欲しいのは旭川から新宿行きの切符だ。」
マー:
「え?!そんな切符どうするのさ?」
キッ君:
「マー、お前にしか頼めないんだ。駄目なのかい?こんなに頼んでも駄目なのかい?お前だけが頼りなんだぞ。」
悲しそうにそう言ったキッ君は僕をギュッと力強く抱き締めた。
キッ君は僕だけが頼りなんだ。
僕が必要なんだ。
僕はキッ君に必要とされているんだ。
マー:
「任せといて、すぐに買ってくるよ。」
キッ君:
「そうか!宜しく頼む。」
僕は抱き締められた時のぬくもりに酔いしれながら、旭川へ向けて走り出した。
何日かかっても僕は旭川から新宿行きの切符を手に入れるんだ。
2007年12月07日
2007年09月17日
新世紀黄色いの - 覚醒編 -
この話はフィクションというか、近未来予想話です。
中途半端に終わっているのは、シャワー浴びている間に思いついたのがそこまでだったからです。
ここは人形遣い同盟本部。
司令官「おい、黄色いのの状態はどうなっている?」
A「はい、楽園を満喫している様子です。」
司令官「欲望は?」
B「完全に満たされています。脳内メーカーによる推定ですが、脳内は2次元沙都子に支配されています。」
A「最終兵器彼女(フィギュア)を投入しますか?」
司令官「いや、このまま監視を続けたまえ。人形遣い同盟最終奥義、夢想転形は深い寂しさ、空しさ、切なさを感じていなければ達成しえない。」
A・B「了解しました。」
ドーナツ司令官は立ち去る。
A「Bさん、夢想転形って一体?」
B「君、知らないのか?そうか、新人だもんな。夢想転形とはな、無から転じて人形を拾うって意味なんだ。」
A「無から転じて人形を拾う…。それで一体何をする気なの?」
B「司令はきっとこのクリーチャーを夢想転形でこちら側に引き込むつもりなんだよ。エース・オブ・フィギュアを誕生させるためにね。」
A「そうだったんですか。しかし、なぜ黄色いのが選ばれたんですか?」
B「その者、金色の衣をまといて、自由の楽園に降り立つべし。って伝承知ってるだろ?まさにこのクリーチャーは伝承通りなんだよ。」
A「私、人形遣いの根源への到達が目標かと思ってました。」
B「それは長期的な…。」
ワーニング!
ワーニング!!
バーンナックル!!!
突如、鳴り響く警告アラーム!
駆けつけるドーナツ司令官。
司令官「どうした!早急に状況を報告したまえ!!!」
A「暴走です!黄色いのが急に暴走し始めました!あれほど満たされていた欲望が1%も満たされていません!」
司令官「ふっ、遂に覚醒への時が満ちたか。」
B「最終兵器彼女(フィギュア)を投入しますか?」
司令官「まだだ、まだ待つんだ。寂しさ、空しさ、切なさが高いほど、奴はより強力に人形の虜になる。」
B「ああっ!!!」
司令官「どうした?」
B「拘束具がはがされていきます!!!」
A「拘束具?あれはただのポスターではないのですか?」
B「違う!あれはただのポスターではない。クリーチャー本来の欲望を抑え、こちらが制御するための拘束具なんだ!」
司令官「慌てるな。予定通りだ。(ニヤリ)」
人形遣い同盟に警告アラームが鳴り響く中で、電話のベルも鳴り響く。
A「ドーナツ司令!RW(Radio Wave)から電話です。暴走を止めるために突撃作戦を実行に移すそうです。」
司令官「愚かな…。覚醒しかけた奴を2D爆雷(2次元物詰め合わせ兵器)レベルでは制圧することはできん。」
A「どう対処いたしますか?」
司令官「最終兵器彼女(フィギュア)の発進準備開始せよ!」
A・B「了解!」
この時、人形遣い同盟本部とはまた別の場所で黄色いのを見守る男がいた。
リリカルH「黄色いのの楽園への解放と覚醒への道…。これもシナリオのうちですか、ドーナツ司令。」
中途半端に終わっているのは、シャワー浴びている間に思いついたのがそこまでだったからです。
ここは人形遣い同盟本部。
司令官「おい、黄色いのの状態はどうなっている?」
A「はい、楽園を満喫している様子です。」
司令官「欲望は?」
B「完全に満たされています。脳内メーカーによる推定ですが、脳内は2次元沙都子に支配されています。」
A「最終兵器彼女(フィギュア)を投入しますか?」
司令官「いや、このまま監視を続けたまえ。人形遣い同盟最終奥義、夢想転形は深い寂しさ、空しさ、切なさを感じていなければ達成しえない。」
A・B「了解しました。」
ドーナツ司令官は立ち去る。
A「Bさん、夢想転形って一体?」
B「君、知らないのか?そうか、新人だもんな。夢想転形とはな、無から転じて人形を拾うって意味なんだ。」
A「無から転じて人形を拾う…。それで一体何をする気なの?」
B「司令はきっとこのクリーチャーを夢想転形でこちら側に引き込むつもりなんだよ。エース・オブ・フィギュアを誕生させるためにね。」
A「そうだったんですか。しかし、なぜ黄色いのが選ばれたんですか?」
B「その者、金色の衣をまといて、自由の楽園に降り立つべし。って伝承知ってるだろ?まさにこのクリーチャーは伝承通りなんだよ。」
A「私、人形遣いの根源への到達が目標かと思ってました。」
B「それは長期的な…。」
ワーニング!
ワーニング!!
バーンナックル!!!
突如、鳴り響く警告アラーム!
駆けつけるドーナツ司令官。
司令官「どうした!早急に状況を報告したまえ!!!」
A「暴走です!黄色いのが急に暴走し始めました!あれほど満たされていた欲望が1%も満たされていません!」
司令官「ふっ、遂に覚醒への時が満ちたか。」
B「最終兵器彼女(フィギュア)を投入しますか?」
司令官「まだだ、まだ待つんだ。寂しさ、空しさ、切なさが高いほど、奴はより強力に人形の虜になる。」
B「ああっ!!!」
司令官「どうした?」
B「拘束具がはがされていきます!!!」
A「拘束具?あれはただのポスターではないのですか?」
B「違う!あれはただのポスターではない。クリーチャー本来の欲望を抑え、こちらが制御するための拘束具なんだ!」
司令官「慌てるな。予定通りだ。(ニヤリ)」
人形遣い同盟に警告アラームが鳴り響く中で、電話のベルも鳴り響く。
A「ドーナツ司令!RW(Radio Wave)から電話です。暴走を止めるために突撃作戦を実行に移すそうです。」
司令官「愚かな…。覚醒しかけた奴を2D爆雷(2次元物詰め合わせ兵器)レベルでは制圧することはできん。」
A「どう対処いたしますか?」
司令官「最終兵器彼女(フィギュア)の発進準備開始せよ!」
A・B「了解!」
この時、人形遣い同盟本部とはまた別の場所で黄色いのを見守る男がいた。
リリカルH「黄色いのの楽園への解放と覚醒への道…。これもシナリオのうちですか、ドーナツ司令。」
2007年08月27日
極上娯楽オナゴ上司
この話はフィクションです。
てか、話のネタがあって書いたのではなく、前に描いた絵をそのまま公開するのは楽しくないので話をつけただけです。
ただ、そのつけた話が面白くありません。
尚、絵の関係上マルチエンディングです。
就活に失敗した俺は、無職のプー太郎になることは避けたかった。
だから、社員数30人に対して求人200人という明らかにブラックな企業だが、トコブシシステムズに入社した。
ブラック企業通り研修が存在しなかったが、それ以外は普通だった。
給与は少なめだが、某掲示板で叩かれているように何だかんだで天引きされることはなかった。
笑ける程少ないが、残業代まで出るようだ。
入社2ヵ月後、人事移動で俺は原黒亜麻さんという女上司の下で働くことになった。
女上司と言っても、俺と原黒さんだけの小さな部署だ。
原黒さんは、会議室に入ると仁王立ちして、「始めるわよ!」と叫ぶほど勝気でしっかりした人だった。
それから少しして、親しくしていた同期が急に姿を消した。
辞めたのだろうが、急過ぎて驚いた。
他にも辞めた者がいるらしく、また会社は大規模な求人を行っているようだ。
心配だったが、原黒さんは次から次へと仕事を俺に寄越すのでそれどころではなかった。
しかし、それ以上に原黒さんは仕事をこなしていたので文句はなかった。
それどころか、原黒さんを尊敬し、その魅力に惹かれ始めていた。
そんなある日、打ち合わせのため会議室へ向うと、会議室前に原黒さんがいた。
原黒さんはいつもきっちり5分前に会議室へ来るので、俺は10分以上前に会議室へ行っていた。
しかし、今日はすでに原黒さんが会議室前にいる。
俺が話しかけようとすると原黒さんが、
「ペレ君、この会議室今日は使えないらしいから別のとこ使うわよ。」
と言った。
ちなみにペレとは原黒さんが俺に付けたあだ名だ。
「わかりました。でも、他に場所ありますか?」
「倉庫になっている部屋を使うのよ。」
そう言われ、原黒さんについて行くと人気のない廊下の端にその部屋はあった。
5階建ての自社ビルなのだが、4階に社長室があり、5階へは足を踏み入れたことがなかった。
ドアを開けて室内に入ると、いつもは「始めるわよ!」と叫ぶ原黒さんが仁王立ちしたまま何も言わない。
俺が明かりを付けようとすると、
「明かりは付けないで…。」
と原黒さんとは思えない弱々しい小さい声で言った。
不審に思った俺は、
「原黒さん、どうかしたのですか?」
と尋ねた。
すると、原黒さんはまた弱々しく小さい声でこう言った。

選択:
そんなことないですよ。
僕はあなたが好きです。
無いんじゃないんですか?
てか、話のネタがあって書いたのではなく、前に描いた絵をそのまま公開するのは楽しくないので話をつけただけです。
ただ、そのつけた話が面白くありません。
尚、絵の関係上マルチエンディングです。
就活に失敗した俺は、無職のプー太郎になることは避けたかった。
だから、社員数30人に対して求人200人という明らかにブラックな企業だが、トコブシシステムズに入社した。
ブラック企業通り研修が存在しなかったが、それ以外は普通だった。
給与は少なめだが、某掲示板で叩かれているように何だかんだで天引きされることはなかった。
笑ける程少ないが、残業代まで出るようだ。
入社2ヵ月後、人事移動で俺は原黒亜麻さんという女上司の下で働くことになった。
女上司と言っても、俺と原黒さんだけの小さな部署だ。
原黒さんは、会議室に入ると仁王立ちして、「始めるわよ!」と叫ぶほど勝気でしっかりした人だった。
それから少しして、親しくしていた同期が急に姿を消した。
辞めたのだろうが、急過ぎて驚いた。
他にも辞めた者がいるらしく、また会社は大規模な求人を行っているようだ。
心配だったが、原黒さんは次から次へと仕事を俺に寄越すのでそれどころではなかった。
しかし、それ以上に原黒さんは仕事をこなしていたので文句はなかった。
それどころか、原黒さんを尊敬し、その魅力に惹かれ始めていた。
そんなある日、打ち合わせのため会議室へ向うと、会議室前に原黒さんがいた。
原黒さんはいつもきっちり5分前に会議室へ来るので、俺は10分以上前に会議室へ行っていた。
しかし、今日はすでに原黒さんが会議室前にいる。
俺が話しかけようとすると原黒さんが、
「ペレ君、この会議室今日は使えないらしいから別のとこ使うわよ。」
と言った。
ちなみにペレとは原黒さんが俺に付けたあだ名だ。
「わかりました。でも、他に場所ありますか?」
「倉庫になっている部屋を使うのよ。」
そう言われ、原黒さんについて行くと人気のない廊下の端にその部屋はあった。
5階建ての自社ビルなのだが、4階に社長室があり、5階へは足を踏み入れたことがなかった。
ドアを開けて室内に入ると、いつもは「始めるわよ!」と叫ぶ原黒さんが仁王立ちしたまま何も言わない。
俺が明かりを付けようとすると、
「明かりは付けないで…。」
と原黒さんとは思えない弱々しい小さい声で言った。
不審に思った俺は、
「原黒さん、どうかしたのですか?」
と尋ねた。
すると、原黒さんはまた弱々しく小さい声でこう言った。

選択:
そんなことないですよ。
僕はあなたが好きです。
無いんじゃないんですか?
2007年02月08日
意思ある植物人間
この話はフィクションです。
私は手も、口も、目も動かない。
唯一、聴力と意識だけは正常に動作していた。
しかし、意識があることを伝える手段が無かった。
耳からの情報をただ受けるだけの生活。
1日が1年にも思え、精神崩壊を起こしそうになった。
人間とは凄い生き物だ。
精神崩壊を起こしそうになっていたが、1週間もするとその環境になれ、1ヶ月もするころには何の違和感も感じなくなった。
これが、環境適応能力というのだろうか?
拷問だった日々から、今ではラジオを聴きながら横になっている感覚だ。
何もせず、ただ入ってくる音を楽しむ。
意外と居心地が良いものだ。
苦痛といえば、耳から入ってくる妻の弱々しい声。
私に語りかける息子の声。
一家を支える身として、現状を打破したいが何もできない。
そばにいるであろう妻、息子に何もしてやれない。
悲しくなるが、涙も出ない。
涙が出れば、意思があることが伝えられるのに…。
本当に辛い。
その辛さが続いていたら、私は別の意味で精神崩壊を起こしていただろう。
しかし、妻が再婚することになった。
私のお袋が妻を不運に思って、話を進めたようだ。
相手は私の部下だった男。
まじめながらも明るい信頼できる男だ。
あいつなら妻も息子も大切にしてくれるだろう。
夫としては複雑な気持ちだが、妻や息子にこれ以上負担を与えるわけにはいかない。
正直、肩の荷がおりて、私はほっとした。
耳からしか情報を得れなくなって、聴力の大切さを改めて感じている。
耳はさまざまな情報を与えてくれた。
妻と息子の状況。
担当医師の治療方針などは当然として、担当医師が私のベッドの横で若い看護婦といちゃついていることも私は知っている。
その若い看護師が間違った薬品を注射して患者を殺した事実を担当医師が揉み消したことも知っている。
全て、耳からの情報だった。
みんな、私に意思がないと思っている。
初めは秘密を知れて楽しめた。
しかし、しだいに私が1人の人間として扱われていないように思えた。
ただの観賞用植物とでも思われているようだ。
意思があることを伝えたい。
どうにかして伝えたい。
しかし、方法が無い。
ある日、いつものように耳から情報が流れてきた。
看護婦の会話だ。
日常会話をしている。
いつものことで楽しくも面白くも無い。
しかし、今日は少し違った。
何か別の情報が混じっている。
ラジオで2つの放送が同時に受信されているように…。
だが、私は人間だ。
そのように聞こえること自体が不思議でしかたない。
けれど、小さい音だが確かに別の会話が聞こえる。
「教授もうやめましょう!こんな実験は非人道的です。」
「何をしている!実験体に私たちの声が聞こえてしまうではないか!やめるんだ、只野!苦労した人脳データが狂ってしまう!」
「人体実験ですよ!もう耐えれません、世間に公表します!」
「そんなことをすれば、君も同罪だぞ!な、只野、人類の有り方に革命を与えようではないか。」
「構いません、もう耐えれない!」
「残念だよ、只野。」
「うぎゃ、きょ、教授…。」
「安心しなさい、完全に殺したりはしない。次は君の脳と耳で実験を行うよ。この実験体は処分するからね。」
私は手も、口も、目も動かない。
唯一、聴力と意識だけは正常に動作していた。
しかし、意識があることを伝える手段が無かった。
耳からの情報をただ受けるだけの生活。
1日が1年にも思え、精神崩壊を起こしそうになった。
人間とは凄い生き物だ。
精神崩壊を起こしそうになっていたが、1週間もするとその環境になれ、1ヶ月もするころには何の違和感も感じなくなった。
これが、環境適応能力というのだろうか?
拷問だった日々から、今ではラジオを聴きながら横になっている感覚だ。
何もせず、ただ入ってくる音を楽しむ。
意外と居心地が良いものだ。
苦痛といえば、耳から入ってくる妻の弱々しい声。
私に語りかける息子の声。
一家を支える身として、現状を打破したいが何もできない。
そばにいるであろう妻、息子に何もしてやれない。
悲しくなるが、涙も出ない。
涙が出れば、意思があることが伝えられるのに…。
本当に辛い。
その辛さが続いていたら、私は別の意味で精神崩壊を起こしていただろう。
しかし、妻が再婚することになった。
私のお袋が妻を不運に思って、話を進めたようだ。
相手は私の部下だった男。
まじめながらも明るい信頼できる男だ。
あいつなら妻も息子も大切にしてくれるだろう。
夫としては複雑な気持ちだが、妻や息子にこれ以上負担を与えるわけにはいかない。
正直、肩の荷がおりて、私はほっとした。
耳からしか情報を得れなくなって、聴力の大切さを改めて感じている。
耳はさまざまな情報を与えてくれた。
妻と息子の状況。
担当医師の治療方針などは当然として、担当医師が私のベッドの横で若い看護婦といちゃついていることも私は知っている。
その若い看護師が間違った薬品を注射して患者を殺した事実を担当医師が揉み消したことも知っている。
全て、耳からの情報だった。
みんな、私に意思がないと思っている。
初めは秘密を知れて楽しめた。
しかし、しだいに私が1人の人間として扱われていないように思えた。
ただの観賞用植物とでも思われているようだ。
意思があることを伝えたい。
どうにかして伝えたい。
しかし、方法が無い。
ある日、いつものように耳から情報が流れてきた。
看護婦の会話だ。
日常会話をしている。
いつものことで楽しくも面白くも無い。
しかし、今日は少し違った。
何か別の情報が混じっている。
ラジオで2つの放送が同時に受信されているように…。
だが、私は人間だ。
そのように聞こえること自体が不思議でしかたない。
けれど、小さい音だが確かに別の会話が聞こえる。
「教授もうやめましょう!こんな実験は非人道的です。」
「何をしている!実験体に私たちの声が聞こえてしまうではないか!やめるんだ、只野!苦労した人脳データが狂ってしまう!」
「人体実験ですよ!もう耐えれません、世間に公表します!」
「そんなことをすれば、君も同罪だぞ!な、只野、人類の有り方に革命を与えようではないか。」
「構いません、もう耐えれない!」
「残念だよ、只野。」
「うぎゃ、きょ、教授…。」
「安心しなさい、完全に殺したりはしない。次は君の脳と耳で実験を行うよ。この実験体は処分するからね。」
2006年12月14日
クリスマスの思い出=小学生編=
広島のある町にDという少年がいた。
彼には思いを伝えられない女の子がいた。
思いを伝えられないというより、彼にはどしたらいいのか分からなかったのだと思う。
もちろん、努力はしていた。
しかし、小心者の彼ではいつももう一歩が踏み出せなかった。
もし、この状態が続いていたら、彼の思いは泡が弾けるように自然消滅していただろう。
しかし、12月の末に転機が訪れる。
クラスでクリスマス会を行うことになったのだ。
彼は沸きあがった。
クリスマス会の予定の中に『プレゼント交換』があったからだ。
―あの子とプレゼント交換がしたい。―
思いを伝えれなくても、彼はただそれだけを望んでいたのだと思う。
そして、クリスマス会の日がやってきた。
クリスマス会は順調に進み、彼の待ち望んだプレゼント交換。
しかし、彼は大きな勘違いをしていた。
クリスマス会のプレゼント交換とは、特定の人物とプレゼントを交換できるのではない。
全員が円形に並び、音楽がなっている間プレゼントを横の人と交換する。
音楽が止まったときに持っていたものが自分の物となるのだ。
彼は愕然としたに違いない。
でも、彼は諦めなかった。
どうにかしてあの子のプレゼントを手に入れようとしたのだ。
1周では、曲が終わらないと彼は予測したのだろう。
2度目にあの子のプレゼントが手元に来た時、彼はわざとそれを手前に転がした。
できる限り自然に、できる限り時間が稼げるように…。
努力の末、彼はプレゼントを手に入れた。
これで全て上手くいった…のならいいのだが、人生はお伽話ではない。
逆回転の2曲目が存在したのだ。
学級委員が楽しませようとして考えたのだろうが、彼の恨みは底知れぬものだったろう。
再度同じ作戦をする勇気は彼にはなく、当然一度手に入れたプレゼントが再び彼の元に戻ってくることはなかった…。
人生はお伽話ではない。
だが、奇跡が起きないわけではない。
だから、人生は楽しい。
彼にも1つの奇跡が起こったのだ。
クリスマスに彼の家に1人の女の子がやってきた。
そう思いを寄せるあの子が。
女の子「D君、クリスマス会のとき、わざと私のプレゼントを手に入れようとしたでしょ?」
D「そ、そんなことないよ。」
女の子「うそっじゃ〜。」
D「で、何じゃの?」
女の子「あの時ね、わたしクッキー焼いたんよ。また焼いたけーさ、あげる。」
D「あ、ありがと…。」
女の子「うんじゃ〜、また学校で〜。」
この後、彼らがどうなったのか。
それをここで語るつもりはない。
知り過ぎない方が良いことも世の中にはあるのだ。
彼には思いを伝えられない女の子がいた。
思いを伝えられないというより、彼にはどしたらいいのか分からなかったのだと思う。
もちろん、努力はしていた。
しかし、小心者の彼ではいつももう一歩が踏み出せなかった。
もし、この状態が続いていたら、彼の思いは泡が弾けるように自然消滅していただろう。
しかし、12月の末に転機が訪れる。
クラスでクリスマス会を行うことになったのだ。
彼は沸きあがった。
クリスマス会の予定の中に『プレゼント交換』があったからだ。
―あの子とプレゼント交換がしたい。―
思いを伝えれなくても、彼はただそれだけを望んでいたのだと思う。
そして、クリスマス会の日がやってきた。
クリスマス会は順調に進み、彼の待ち望んだプレゼント交換。
しかし、彼は大きな勘違いをしていた。
クリスマス会のプレゼント交換とは、特定の人物とプレゼントを交換できるのではない。
全員が円形に並び、音楽がなっている間プレゼントを横の人と交換する。
音楽が止まったときに持っていたものが自分の物となるのだ。
彼は愕然としたに違いない。
でも、彼は諦めなかった。
どうにかしてあの子のプレゼントを手に入れようとしたのだ。
1周では、曲が終わらないと彼は予測したのだろう。
2度目にあの子のプレゼントが手元に来た時、彼はわざとそれを手前に転がした。
できる限り自然に、できる限り時間が稼げるように…。
努力の末、彼はプレゼントを手に入れた。
これで全て上手くいった…のならいいのだが、人生はお伽話ではない。
逆回転の2曲目が存在したのだ。
学級委員が楽しませようとして考えたのだろうが、彼の恨みは底知れぬものだったろう。
再度同じ作戦をする勇気は彼にはなく、当然一度手に入れたプレゼントが再び彼の元に戻ってくることはなかった…。
人生はお伽話ではない。
だが、奇跡が起きないわけではない。
だから、人生は楽しい。
彼にも1つの奇跡が起こったのだ。
クリスマスに彼の家に1人の女の子がやってきた。
そう思いを寄せるあの子が。
女の子「D君、クリスマス会のとき、わざと私のプレゼントを手に入れようとしたでしょ?」
D「そ、そんなことないよ。」
女の子「うそっじゃ〜。」
D「で、何じゃの?」
女の子「あの時ね、わたしクッキー焼いたんよ。また焼いたけーさ、あげる。」
D「あ、ありがと…。」
女の子「うんじゃ〜、また学校で〜。」
この後、彼らがどうなったのか。
それをここで語るつもりはない。
知り過ぎない方が良いことも世の中にはあるのだ。


